霧の中に落ちる月の滴 3
おはようございます。
冬休み中なかなか思う通りにお話の更新ができてませんが、今週末の3連休が終わるまではUp時間もまばらになると思います。
さてこのお話、類君死んじゃわないですよね?プラス類つくになる可能性を心配されてる方もちらほら・・・。
私の場合つかつくオンリーできてますので心配されてない方も多いと思います。
でも、いろんな要素にドキドキハラハラしちゃうのも小説の醍醐味ですからね。
ネタばれてき要素と展望はもうしばらく控えさせていただきますがお許しを~♪
*白く光ったままの蛍光灯に手術中の文字。
「まだ終わらないんだな・・・」
不安を乗せたままつぶやく俺の肩をポンとあきらが無言のままに置いてギュッとつかんだ。
手術室の待合室でずっと待っていた総二郎とあきら。
こいつらも俺以上に不安な表情を隠そうとはしない。
スクラップ状態の前方が押しつぶされた車。
助け出された二人のあとに運ばれていく類の愛車の原型なんてすでになかった。
外車じゃなきゃひとたまりもなかった。
そんな会話が事故処理の警察から漏れてきた言葉。
牧野が命に別状なくてすんだのは類が牧野をかばってくれたからだ。
類は牧野を俺以上に大切に思ってくれていたんだろう。
今も昔も・・・。
現在進行形のままで。
牧野をあきらめてくれ。
類の前で土下座までした自分の姿が類が今必死で戦ってるであろう扉の前に見える気がした。
「牧野は?」
俺を真ん中に挟むように横に立った総二郎が手術中の文字から目を離さないままにつぶやく。
「さっき気が付いた。
這ってでも手術室まで来そうな勢いだったけどな」
痛み止めを打たれてウトウトとなった牧野をあいつの両親に頼んで俺は類のそばにやってきた。
「牧野も司以上に生命力あるからな」
「昔流行ったホラー映画の幽霊みたいに井戸から這って現れる姿を想像した」
いつものように俺たちをからかう声も今は真実味が欠ける。
笑えねぇよな。
それでも落ち込みそうな気分をなんとかしたいってこいつらの気遣い。
わかっていても暗くなりそうな雰囲気は隠せない。
「すいません」
俺たちに声をかけてきた男二人。
警察だと神妙な表情で近づいてきた。
車をぶつけた相手は現場からいなくなっていた。
そんな報告だけ聞いている。
「見つかったのか?」
そんな奴直ぐにぶっ殺す。
「まだです。トラックも盗難車でした」
予想以上に捜査は難航しそうだとつぶやく刑事。
それならここに来る必要ねぇだろう。
いらっとした感情を類の状態に不安を覚えてる感情が増殖させてくる。
「花沢さんの車が来るのを待ってトラックが走りだした形跡が目撃者の情報から考えられるんですよ。
何か誰とトラブルがあったとかいう話は聞いてないですか?」
忙しそうに開いた手帳に刑事はペンをのせた。
「類を恨むやつ?
司ならわかるけどな・・・」
総二郎とあきらの合わさった視線が俺を注視した。
俺も最近じゃ恨みを買うようなことしてねぇよ。
牧野が止めるし・・・。
牧野と付き合いだして凶暴じゃなくなって丸くなって思ってるのは俺以上にお前たちだろうがぁ!
「何か気が付いたことがあったら連絡を下さい」
そう言い残して刑事たちは帰っていった。
「もしかして・・・類じゃなくて牧野を狙ったとか?」
その悪の根源は司じゃねぇの?
そんな考えが読める総二郎とあきらの表情。
何でも俺のせいにすんじゃねぇよ。
本当に類と牧野をわざと狙ったのなら警察が解決する前に俺が探しだす。
ブレーキ痕がないだとか。
類の車が来る1時間以上前からトラックは近くの路肩に止まってたとか。
刑事の告げる情報は怪しいものばかり。
単なる偶発的事故で片づけられる根拠は何もない。
いったい何なんだ。
事故を起こして重傷を負ったと聞いただけでも強いストレスを感じてる。
それなのに暗躍する卑劣なやつらがいるってことか?
「今はまず類が無事だってことが重要だよな」
まずはそれから。
そう言って見上げた手術室の扉の上。
手術中の文字がようやくぱちんと消えたのが見えた。
手術室から出てきた類は青白くいくつもの管につながれてる状態。
そんな類を見るのは生まれて初めて。
思った以上に強いショックと感じて震える腕。
必死で自分の震える右手が震える左手を押さえこんだ。
「手術は成功しましたが、予断を許さない状態です。
しばらくはICUで管理させていただきます」
よくドラマで聞く医者のセリフ。
現実味がないように耳の中を素通りした。
「何とか、助かりそうだな」
ほっと溜息をつく総二郎とあきら。
「牧野に知らせてくる」
ベッドで運ばれていく類を見送った俺はその足で牧野の病室を目指した。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ様
偶発的交通事故と思いきやなにやらきな臭い事件を絡めてサスペンス調に仕上げてみました。
さて黒幕はどうなんでしょうね。
>司に対する恨みからつくしを狙ったって思う所もありますが、
>人に恨みをかうようなことがない類に恨みを持つ人が登場しちゃったりして!なんて勝手に想像してます。
>類に恨みを持つとしたら、あまりにも類に相手にされないってことしか思い付かないです。つくしを類の恋人と勘違いするとか・・
類だとねなかなか恨みを買う根拠がわからないですよね。
本人の知らないうちに恨まれるてこともありますからね。
ないしょ!ないしょ!ないしょ!
この話は単純に笑えるお話にしたかったんですよね。
気楽に読めちゃう感じのお話はいくつかありますがこの話を超えるお話はなかなか書けないですね。
はぴまりはネットでも読めますよ。
つい昨日某古本屋で全巻セット2500円で出てました。
小学館がUPしてる動画も好きなんですよね。
千和の声がコナンと一緒なんですけどね。
ゆみん 様
類もですが司の痛い胸のうちもにじませてお話を進めていきたいと思ってます。
類に対しての引け目的なものは司の心の奥にあると思うんですよね。
見せないでしょうけどね。
さて続きはいつにするかな~。
スリーシスターズ 様
コメへのお返事ありがとうございます。
千和と北斗の声優さん、実はこのブログでもう一つ扱ってる天河の主役二人の声を吹き替えてらっしゃるんですよ。
はぴまり連載中は久々に月刊誌を買うほどはまって読みましたね。
最近はあんまりないかなぁ・・・(;^ω^)