門前の虎 後門の狼 21
なぜ司じゃなく花沢類が登場するのか!
それはね、司が登場したらありきたりだし面白ないし、つくしちゃんを拉致して話が終わっちゃうからです。
これで少しお話を引き延ばせるはず。(;^ω^)
「あっ・・・はな・・・はな・・・」
思考回路は完全にダイナマイトで飛ばされて声が言葉を作れない。
道明寺が突然現れてくれた方が冷静に対処できると思う。
「牧野?言葉忘れちゃった?」
まばゆい花沢類の微笑み。
「キャーッ」
感嘆のおたけびを上げたのは私と優紀を除くその他の女子。
「あの・・・初めまして・・・」
輝く嬉々とした感動の表情。
うれしさを全身で表現して飛び上がらんばかりのテンションはコンサートでエキサイトしてるファンと何らかわらない。
「俺、牧野しか興味ないから」
そっけない花沢類の態度に気を悪くするどころかまた悲鳴が上がる。
「牧野の彼氏か?」
田畑君以外の人は道明寺と会ってないけど・・・
男子のF4の認知度ってそんなもん?
4人の顔は知ってても名前までは知らないのかも。
「違う、もっと横柄な奴だった」
私より先に田畑君が否定してくれた。
「西門さんも来るかな?」
チョンと私のわき腹を指で叩いた優紀は目の前の花沢類より入り口の扉を先を気にしてる。
「これ以上来られたら大変だよ」
「でも道明寺さんは来るかもね」
背伸びをするように優紀は扉の外に視線を向けてる。
「司は、総二郎とあきらが一緒にいるから」
さらりと言って花沢類は私の隣に腰を下ろした。
ということは・・・
道明寺が来るとしたら漏れなく西門さんと美作さんもついてくるってこと?
もうッ!
この場は同窓会のノリじゃなくなっちゃう。
F4 4人のオーラーに店内は飲みこまれて独断場になるのは目に見えてる。
そして4人が去ったあとの喪失感。
一気に熱が下がって楽しい夢から現実に引き戻されるむなしさが残るんだよ。
あっ~てため息に見送られて出ていく瞬間に気まずい思いをするのは私だけ。
イケメン4人はなんとも思っちゃいない。
慣れてるんだよね。
「俺が、牧野のいる店に来たことは司は知らないから」
「それって抜け駆けですか?」
戸惑う私の前に身を乗り出してきたのは優紀。
花沢類が私の初恋だってことも、道明寺とうまくいってなかったときに助けてくれたのも花沢類で、花沢類が私を好きだった事実も優紀は知っている。
道明寺と婚約してそして今回一緒に暮らさはめになったことも理解してるのにこの楽しそうなノリを見せる。
優紀が楽しんでるのはきっと私と道明寺の恋がうまくいってると信じてるからだと思うんだけど・・・
遊ぶな!
「同窓会って、たぶん俺たちに関係ないものだと思うんだよね。
それに俺の知らない牧野をみんなは知ってるわけでしょう。
司より先にそれを俺が知ったら楽しいかなとも持ったんだよね」
「私の中学時代ってそんな、大したことないから」
「そうかな?俺はかわいかったって思うけど?」
かわいいとか・・・あんまり聞きなれない言葉をきれいな顔でささやかれるとどうしようもなく落ち着けない。
「自分の知らないつくしを知りたいだなんて~」
「可愛いだって~」
言われた私より興奮してるのはその他のはずの同級生。
「つくし!贅沢すぎるぅ~」
「花沢さんとつくしってどういう関係ですか?」
私を押しのけて花沢類の周りが芸能記者になってしまった女子にマイクを向けられた格好だ。
それ聞くの?
「牧野だけ知ってればいいことだから」
表情を変えないクールさ・・・
いや違う。
そこには他人に一切興味を示さない拒否感を花沢類は漂わせてる。
「そうですね・・・」
目くばせする彼女らの中に流れる気まずい空気。
周りの空気感と温度差。
寒冷前線に遮断された西と東の温度差はとってつもなく大きい。
道明寺とはまた違った気遣いが必要な気がする。
この状況で孤立する空気感をまとったままでも花沢類なら私の隣に座ってることも苦にならない気がした。
ここで昔話が盛り上がるとは思えない。
「牧野、あと30分しかないよ」
え?30分?
腕時計で時間を確かめた花沢類の声にこの場をどうするか迷っていた感情が一気に消えた。
道明寺が私に与えてくれた2時間のタイムリミットが近づいてる。
この店からマンションまでの帰る時間を考えたらもうそろそろ店を出る時間だ。
ここまで道明寺の登場がないことを考えると・・・
花沢類・・・
本当に道明寺には内緒だったんだ。
「送るよ」
澄ました花沢類が私を覗き込む。
え?
送ってもらって大丈夫なの?
ドクンと心臓が一つ大きく胸を打った。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
花沢類のこの行動意味読めませんよね。
自分たちがつくしと司を同棲まで追い込んだようなもの、それで楽しむのはF3のいつものパターンなのに、この後の類の抜け駆けはどういう意味があるのと・・・(;^ω^)
大いに悩んでもらって申し訳ないような気がいたします。
「あさきゆめみし」わたしも何度も読みました。
何度も読まない理解できなかったというのがその理由ですけどね。
高校の時の古文の勉強には大いに役になった記憶があります。
平安時代に俺様皇子がいたら確かにパラレル満載ですよね。
パラレルだから何でもありなところで楽しみましょうか?
ゆみん 様
>類くんの拉致拉致大作戦!悪戯なのか大マヂなのか…
>お祭りコンビプロデュース?司主犯?!4人丸ごと絡んでいるのかっ!!
うんうん♪
この視点が一番しっくりいきますよね。
類が二人の指示通りに動くとは考えられませんけどね。(笑)
二人にノセられるのはやっぱり坊ちゃんでしょうからね。
さてこの坊ちゃんおとなしく二人に言いくるめられてるのかしら?
それともつくしが遅刻した時のペナルティーを相談中とかしてたら楽しいなぁ~