霧の中に落ちる月の滴 17
司だけじゃなくすべてが事件解決のためにいよいよ動きだしているというところでしょうか。
なかなか確信にたどり着けずにうろうろしちゃってますけどね。
喧嘩の原因がわかったところですがそれが事件につながるのかどうか・・・(;^ω^)
早くこの話も進めて類の記憶を取りもどすところまでいきたいとおもっています。
なかなか更新できてませんが、実生活が忙しいためです。
たぶん週の半分程度の更新になると思います。
しばらくはそんな感じでのUPでお持ち頂ことも多々あると思いますがお許しくださいね。
*ためらいがちに開けたドア。
その奥で物思いにふける牧野の横顔。
ベットに起き上って下半身を覆うシーツ。
白の色合いが牧野まで青白く映しだす。
物音に気が付いてはっとした横顔で振り向いた牧野。
そして小さく動いた唇が笑みを浮かべる。
「どうしたの?」
帰ったんじゃなかったのか?
そんな疑問を浮かべた瞳が俺を映しこむ。
「泣いてんじゃねぇのかと思って引き返してやったんだよ」
事故前の喧嘩の原因を思いだして、西田に攻められて、少しばかり不安になった俺をこいつに見せる気はない。
「どうして?」
さっきからどうした?とか、どうしてとか?とか・・・
不思議そうに俺を見つめる牧野。
「さっきは俺を怒らせたんじゃねぇかと反省したお前が半べそかいてんじゃねぇかと引き返してやったんだよ」
「・・・・」
「それは、どうもありがとう」
一瞬間の開いた感謝してねぇ声と表情。
「今晩、いてやってもいいぞ」
「相変らずだね」
牧野のベッドの端に腰を降ろした俺に牧野は尖らせた唇がもう一度小さく笑みをこぼす。
「何も教えてくれない間は何もさせないっていったよね?」
「俺がその気になれば、お前から強請る様にさせるの簡単だって知れねぇのか?」
背中を向けたまま顔だけ振り向いた俺の視線の先で何か言いかけた牧野の唇が小さく震えてるのが見えた。
何かを思いだしたように赤くそまる頬。
身に覚えあるよな?
先手を取った優越感に俺の唇もほころぶ。
「病人に手を出すつもりはねぇって言ったよな?
それとも、手を出してほしいのか?」
「だっだ誰が!」
今にも殴られそうな勢いの牧野の声。
握りしめた拳がいつもより頼りなく俺の背中に打ち付けられてくる。
そして・・・
拳より大きめの感触を背中に感じた。
コツンと背中に額を押し付けられた感触。
「道明寺・・・」
牧野の声が直に俺の背中を揺らす。
「何か、わかったの?
私に内緒にしないでよね」
わかってるのは今度の犯人が俺や牧野より類に近い人物だとうこと。
もっと詳しくわかるにはあと少しの時間が必要だッてことだ。
まだお前に話す段階じゃない。
話すならすべて解決してからだと思ってる。
お前が首を突っ込んでくると俺は心配で思うように動けなくなりそうで困る。
「わかったのは・・・」
「わかったのは?」
そっと牧野の頬に手を当てた俺を真剣な眼差しの牧野が覗き込む。
「お前が事故に会う前・・・」
「会う前?」
「俺と・・・」
「俺と?」
「喧嘩した理由」
「理由?」
俺の声にオウム返しで答える牧野。
こいつ・・・
忘れてるな?
牧野の気をそらすために素直に喧嘩したわけを離そうとした俺は墓穴を掘った気がする。
「あっ!」
喧嘩の理由を思いだした牧野はあきれた表情を俺に見せた。
「私の行動を見張ってたんだよね」
「謝る」
俺の声にきょとんとなった牧野の拍子抜けした表情。
俺が謝るのはそんなに意外か?
「お前を守れなかった」
そう言って抱きしめた牧野は俺の腕の中で全く動かない。
「そうじゃなくて・・・」
数秒後に小さく胸元で聞こえたか細い声。
「SPつけてた意味ねぇよな」
牧野の動きをすべて閉じ込めるよううに俺ぐっと腕に力を入れて抱きしめる。
「ずるい・・・」
甘く切なに聞こえた声。
牧野の腕が俺の背中を包みこむように回された。
ふと感じたデジャブ。
以前こうやって牧野を抱きしめていた俺。
鋭く、見つめる視線を感じて、その視線の主を探した俺。
あの男・・・・
いたよな??
写真の男が見えて、その男と何やら話しこんでいた人影。
ライトの向きでそいつの顔を見ることはできなかった。
どこかのパーティーだった思う。
それがいつだったのか、どこだったのか思いだせない。
それでも牧野を同伴したパーティーはそう多くないはずだ。
腕の中で牧野を感じながら西田に指示する内容を頭の隅で整理する俺がいた。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
シリアスに書いてるつもりがいつもの二人に戻りそうなのです。
類が絡まないとどうもこの二人の素の部分を出したくなってしまいます。
いちゃこらはまだ先なのになぁ~(笑)
ますます犯人がわからなくなりますよね。
さぁどうなるのか~
こんがらがってしまいますよね。
99.9より難問で解決できなくならないうちにネタバレしたいかもしれません。
類君が思いだす気っ掛けは!
お楽しみに♪
りり 様
このお話犯人よりより類の記憶がいつ戻るのかのほうが楽しみかもしれませんよ。
kachi様
つくしを抱きしめてるときはつくしのことを考えてなきゃ~
意外と冷静な司君ですけどね。
司のいまの頭の中はつくしよりきっと犯人を追いこむことが占めてるのでしょうね。
りん 様
待ち続けていただけるだなんてとてもうれしいお言葉です。
数分で読める内容を書き上げるのには長い時間を要しますが私の場合書くのは意外と早いほうだと思っています。
早いときは1時間かからないんですよね。
そんな時は数話書きためているんです。
犯人!
別のお話とリンク!
となると・・・0・1%につながるとか?
一瞬どうつなげるか考えちゃったじゃないですか~(笑)
つかつくの設定が違ってたぁ~。
あっちは新婚さんのつかつくでした。(;^ω^)