霧の中に落ちる月の滴 24

おはようございます。

類くんの記憶そろそろ戻さないといつまでたってもこのお話の終わりが来ないんですよね。

どうやって記憶を取り戻させよう。

それとも記憶が戻らなくても支障がないことにここで気が付いたんだよなぁ・・・(;^ω^)

予定では20話程度で8月いっぱいで終わるはずだったんですけどね。

執筆が進まなくて~

大幅にずれ込んでます。

それなのにジュニアのお話にショートのつかつくまで書き始めちゃったし・・・

時間がほしい今日この頃です。

 *

「たくっ、何考えてる」

歯ぎしりと一緒に言葉も擦りつぶして吐きだす道明寺の声。

しっかりと私の手を握ぎる道明寺の手のひらは熱い。

「何も考えちゃいないか。

俺が待てといって素直に待つような女なら俺も苦労しねぇし」

ずんずんと大股で歩く道明寺は私を振り返ろうともせず一人で愚痴り続ける。

花沢類のところに行くのに一緒に行くと言いだしたのは道明寺。

私から頼んだわけじゃない。

道明寺が一緒に行くと言ってくれたのは素直に喜んでいる。

記憶を取り戻してない花沢類が気になるのは私も一緒だから。

記憶をなくした花沢類は私のことが好きで・・・

私のことを思っていてくれて・・・

何よりも道明寺にフラれて傷ついて落ち込んでいた私を守っていてくれた。

道明寺の激しさとはまた違った柔らかい安心する愛に包んでくれていた。

あの時、確かに感じていた花沢類の気持ち。

それでも・・・

私が選んだのは道明寺で・・・

道明寺が忘れられなくて・・・

どんなに我儘で・・・

横柄で・・・

一方的なやつで・・・

私を不愉快にさせるのは世界一で・・・

けれど・・・

それ以上に私を幸せな気分にさせてくれる人はいないって思う。

「おい、聞いてんのか!」

グイと振りかえったその反動で道明寺の腕が私を引きよせる。

「えっ?」

「お前が何か言い返さねぇと、俺がバカみてぇだろうが」

「言い返していいの?」

私が何を言っても自分の理屈のなかに巻き込んでしまうから聞いてくれたことなんて皆無。

それでもいつもならぐちゃぐちゃに言い合うんだけど、今日はそんな気分になれない。

「打ち返してこないサウンドバックを相手にするのは面白くねぇんだよ」

抱きよせられたままの身体をすっぽりと覆うように道明寺の腕が包みこむ。

耳元から頬に流れる道明寺の声に交じる呼吸音。

玄関を出たといってもそこは花沢邸につながる緩やかな坂が続く。

人通りの少なさは公道から少し離れた私有地の車道のため。

洋館の建物を覆うレンガつくりの壁。

一定の間隔で植えられた木々の葉からきらきらと木漏れ日がこぼれる。

道明寺の左肩に顎をのせたような態勢になったのは抱きしめられて腰を持ちあげられた反動。

自然と斜め上に上がった視線の先で窓際の白いレースのカーテンが揺れた気がした。

花沢・・・類・・・?

見られた?

カーテンの後ろに見えた人影。

慌てて道明寺の肩を押して離れた時には見えなくなっていた。

「おいっ」

不機嫌そうにつぶやく道明寺のことより今は、そのカーテンの向こう側は気になって、しかたがなかった。

拍手コメント返礼

スリーシスターズ 様

拍手一番のりありがとうごございます。

いちゃこら見られても今更なんですけどね。

入院中も類君に二人の関係ばれるくらいでしたからね。

司なら気にしないんでしょうけど、つくしは絶対嫌がるのは想像できますよね。

衝動的な買い物。

ありますよね。

今は欲しくなってすぐにネットで買えちゃいますからね。

便利なんですがあとでシマッタと思う経験がたまにあります。

ブログを開設するまえに思わずぷちっとしたのがファイナルのDVDだったのを思いだしました。

りり 様

二人の姿をみちゃった類くん。

ここで記憶がよみがえらなくても類ならすべてを悟れるでしょうね。

友情は不滅だと私も思います。