0.1% までの恋(すべての恋を終えるまで) 22
おはようございます。
台風の影響はいかがでしょうか?
これが今年最後の台風になって暮れるといいんですけどね。
皆様お気をつけて~。
*背中に感じる熱・・・
スライドを下ろしたのは失敗だった?
ぎくりとなったのは道明寺がゆっくりと動くのを感じたから。
スライドを慌てて上げなおしてまた降ろした。
窓から先に見えたのは部屋の中を注視してる視線。
一つや二つじゃなくて・・・
ほぼ全員。
一瞬で私が捉えたのは・・・
あいつによく似た瞳。
にっこりとほほ笑んだその表情に焦ったのは言うまでもない。
「見られたら困るのか?」
振り向いた私の視線の先で道明寺はデスクの上にかるく腰を落とす。
長い脚の処理に困るように左足の上に右足をのせて組む。
そのままくるりと足を巻きつけたら後一周は巻き付いちゃうんじゃないかと思う。
かるく右の肘を支えた左手。
右手の指先はにんまりとた唇の下の顎に添えられる。
余裕があるというか・・・
私の仕事場は完全に道明寺に支配されてる空間へと生まれ変わる。
さっきまでの嫉妬の嵐はいずこ?
「そこまで俺と二人っきりになりたかったか?」
「あのねッ!
あのままだと狂暴性が暴露されそうだったから回避したかっただけじゃないの」
玲子さんに甲斐さん、公平までは道明寺の私に向ける嫉妬心は経験済み。
ある意味慣れてると思う。
そして、今回は道明寺の凶暴性を知らない知人が二人。
深山さんに鮫島さん。
鮫島さんは同じ職種の社長さんなんだから変なとこ見られてこの先仕事に支障が出たら困るとか道明寺は考えないのかな?
「俺が、いつ狂暴になった?
腹を減らしてうろついてる肉食獣じゃねぇぞ」
「今にも噛みつきそうだったけど」
相変わらず公平には遠慮のかけらもなく鋭く睨みつけてたって思える。
火に油を注ぐ固有名詞は出さないけどね。
両手、両足を解いた道明寺がデスクから腰を浮かせるのが見えた。
近づくまえにこの部屋から出ちゃう方が無難だろうか?
そのままくるりと背中に私に向けた道明寺に拍子抜け。
近づいてくると思って心の中で身構えた腕から力も抜ける。
どうした?
いつも私の座る椅子に深々と座ってくつろぎの態度を見せる道明寺。
「おい?」
私を呼ぶ声はいつもより横柄。
「なに?」
私も不機嫌に声を返す。
道明寺が自分の膝の上を人差し指でしめす。
「何よ」
「俺を早く追い返したいんじゃねぇのか?」
道明寺の私に対する要求は膝の上に恋ってことで・・・
それも私から来るようにと仕向けてる。
「あいつらと仕事があるんだよな?」
道明寺から来たなら逃げることができるのにこの状況じゃ逃げだすのは得策じゃないってわかる。
もうっ!
わかったわよ!
勝ち誇ったような顔で見るなっ!
勢いで道明寺の膝の上に腰を下ろす。
これでいいでしょう!
頬を膨らませたまた振り返ろうとした私はやさしく抱きしめる腕。
ふんわりと・・・
大事なものを包みこんでくるのはいつもよりもっとやさしくて・・・
いやらしさとか欲望とか感じない温かさが私の身体を包みこんでくる。
「あのさ・・・」
私を慈しむような道明寺の温もりがさっきまでの怒りが嘘のように収まってきて何も言えなくなる。
「静かに俺に抱かれてろ。
なんもしねぇから」
耳元で囁く声が私の動きを止めた。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
何もしないといってるのになんか起こるのを期待しちゃう状況ですよね。
死守するつくしちゃんとの攻防軍配はどっち~
いや~何も起こらなったりして・・・(;^ω^)
99.9%のDVD BOXいかがでした?
りり 様
外野はどうするのかしら?
野次馬根性をそれぞれの着眼点で見せてくれたら楽しそうなんですけどね?
鮫島社長と深山君
どちらが面白いでしょうか?