ジェラシーを情熱に変えて 15

おはようございます。

期間限定パスワードはお楽しみいただけてるでしょうか?

なぜか通常のパスワード申請のメールが微弱に増えているのです。

(今週はPW申請は0だと思っていた私)

律儀に再度申請されてる方がチラほら。

私の説明が悪かったかしら?

今回の期間限定は記事で公開」しておりますのでどなたでもご自由にご覧くださいのイベントなんです。

ただし観覧は自己責任でお願いいたします。

さあいよいよ司君つくし捜索に飛びだしますよ。

またスノーモービルに颯爽とまたがる司が見れるのかしら?

 *

「牧野、いた?」

「そんな感じじゃねぇな」

「一人床に転がってるし・・・」

後ろから聞こえた3人の声。

冷たい視線は1から3に増えて座りこむ桃井の上に注がれる。

「まさか・・・天候がこんなに変わるなんて思ってなかったから・・・」

「なっ・・・」

桃井の言葉に絶句したあきらと総二郎が顔を見合わせて俺を「まじかよ」と見つめる。

すたすたと類にしては珍しい勢いで俺たちの前をとおりすぎた。

「キャッ」

桃井の腕を掴んだ類はそのまま引き立たせて強引に引っ張って前を向いて無言のまま扉を出ていく。

吹きこんでくる風にあおられて雪が舞いこむ。

出口から数メートル先の雪に桃井を投げ込むように類は桃井を投げ飛ばした。

「牧野になにかあったら許さないよ」

雪の上に残る類の足跡。

そのまま積もった新雪の中に桃井の顔がグイッと埋められる。

そんくらいじゃたんねぇよ。

俺なら足で踏みつける。

「外に出てどのくらいらいだ?」

「牧野は防寒の格好してたか?」

従業員がみた牧野は高校生に見えたってことだからドレスを着たままとは考えにくい。

ゴミ箱を焦るなら汚れを気にした牧野が私服に着替えるのは想像できる。

それでも突然ここに連れてきた牧野はありふれた冬服でとても雪山で過ごせる格好はをしてるはずがない。

「司ーーー」

叫んでるはずのあいつらの声どころか何も聞こえなくなった。

飛び乗ったスノーモビルのエンジン音だけが響く。

顔に吹き付ける雪の冷たさは痛みへと変わる。

焼け付くくような痛み。

警備用の防寒具を速攻でタキシードの上に着てる分だけ牧野よりはまし。

早く見つけねぇと。

たぶんそこまで遠くに行けるとは思えない。

吹雪いた時点で普通なら戻っているはずだ。

それでもまだホテルに戻っていないってことは動けない状態であいつがいるってこと。

「牧野っーーー」

叫んだ口の中に入りこむ雪で舌まで凍りそうだ。

真っ白な銀世界の中でわずかに見えた黒い影。

モービルのライトの光に気が付いたようにゆらりと動くのが見えた。

「まきーーーの」

「どうみょう・・じ」

「道明寺----ッ」

牧野の声に心臓が止まりかけたような気がした。

モビールを投げ捨てるように牧野を抱きしめる。

「どこも、怪我してねぇか」

確かめるように牧野の身体に触れた。

「凍えそうなだけだから」

俺に自分の身体を押しつけるように牧野が自らの顔を俺の胸の中に閉じ込める。

「道明寺が助けにきてくれるって信じてたから」

「だからって、ホテルから出ていくはバカじゃねぇの」

「違うわよ・・・」

「なにが?」

「その話は後、早く帰ろう」

しおらしく見えた牧野は一瞬。

助けにした俺が急かさるのは可笑しくねぇか?

「あっ」

暗闇の雪山に灯った光。

ホテルに隣接するスキー所のゲレンデにナイターのライトが灯った。

たぶこれはあいつらだな。

「これで帰れるね」

下山するてほどの距離じゃねぇ。

でもスキー場からはかなり外れてる。

って・・・見えねぇじゃねかぁぁぁぁ。

強くなった風にあおられて吹雪はひどくなる一方。

ようやく見つけた建物に中に避難するしかなさそうな状況。

一戸建てのバンガロールの作り。

カギをこじ開けて中に入った。

「大丈夫なの・・・?」

「そんなこと言ってらんねぇだろうが」

「とにかく温まることが先決だから」

4人掛けのテーブルと設置された小さな台所。

暖炉のよこには積み上げらた薪。

これで寒さからは守られそうだ。

暖炉に火をつける俺の手元を眺めるように牧野が膝をつく。

「もっと、空気の通り道を作るように薪を積み上げなきゃだめだよ」

「そんなのわかってるから邪魔すんな」

「これじゃ火は付かないって」

俺から薪を取り上げようと手を伸ばす牧野。

取られないように高く手を伸ばす俺。

「キャッー」

ドスッと床に崩れた身体は牧野を下に見下してる。

見つめ合った瞳に時間が止まる。

俺の下で牧野が照れ臭そうに頬を染める。

そして見せる戸惑いの表情。

「重い・・・」

「そんなに乗っけてねぇよ」

ほとんど自分の体重は両腕で支えてる。

「もう、心配させるなよな」

牧野を抱きしめるた腕は身体を反転させて自分の身体の上にのせてギュっと抱きしる。

「ごめん・・・」

俺の胸の上でコクリと牧野がうなずくのがわかった。