ジェラシーを情熱に変えて 16(完)

話はつくしちゃんを救出したところで2話のその後の話に戻ります。

ようやく完結♪

もちろんこの後はいちゃこら満載?

どこまでの話になることやら~

お付き合いありがとうございました。

 *

「すげ~ムカつく」

道明寺の全体重をかけられて身動きがとれないまま組み敷かれてる状況で、道明寺の下から這い出ようともがいていた私の腕の動きがその声に止まる。

抵抗をやめた方がいいのかな?

いやいや、ここは帰らなきゃみんな心配してるでしょ。

10分で帰りつくのかも知れないけどこのままじゃ1時間過ぎてもベットの中から数センチも出れないって思う。

「あのな、普通助けられたらそのまま俺に頼ってすべて任せるって流れじゃねぇのかよ?」

え?

なに?

道明寺のムカついてる意味が見えなくなった。

「ここについて仕切っていたのお前だし、ベッドに入った途端いびきかいてるし」

「私、いびきかいてた?」

驚く私に道明寺は「涎も垂れてた」と意地悪く笑う。

「まだ聞いてねぇけど?」

「何?」

「お前がホテルを出た理由。あとでって言ってたろう?」

道明寺との会話は激しく変わる。

道明寺のムカつく理由はどこ?

「あっ・・・あれね・・・」

「あれねじゃねぇだろうッ。

たくっ、平和そうな顔をするなっ」

怒ったような口調の道明寺はいまだに私を押さえつけたまま。

それでも全然怖さを感じないのは道明寺の怒りのもとは私を心配してくれてるからだとわかるから。

「道明寺ッてさ・・・ストーカーで困っていた?」

「はぁ?俺に付きまとう前に千葉たちが追っ払うだろう」

「で、誰がスト―カーなんだ?」

「私が道明寺のスト―カーだって言われて追いだされたんだから」

「誰だ、そのやろう!」

ガバッと私の身体から道明寺が身体を離す。

それでも顔の両脇に両脇を押し付けられた私の腕はギシッと痛む。

道明寺の怒りは指先から私の中に注ぎこまれる。

「桃井か?」

確信を持った顔はそのまま私を見下ろす。

うなずいた私を確かめると道明寺の身体がもう一度私と重なった。

「桃井のやつ何が目的だったんだ?

どっちかといえば俺がお前のスト―カー見たいなもんだけどな」

呆れた表情は自信満々に私のストーカーだと言いきる。

「自覚してるんだ・・・」

呟きながら道明寺がストーカーならいやじゃない。

めんどくさいとは思うけどね。

確かに四六時中道明寺には監視されてる気がする。

私がどこにいるかわからないとすぐ探すんだから。

メールの着信半端ないもの。

道明寺の息使いは少し下に降りて私の鎖骨の下で感じる。

私の顔の横を通りすぎた腕が頭を包みこんで私の髪をクルクルと指に巻いて弄んでる。

下から眺めらる道明寺の熱い視線。

下から見られるのって慣れない。

「いろいろもやもやしたことはしたけど、もうどうでもいいかな」

「なんだ、お前許すのか?」

「道明寺が助けにきてくれたし、道明寺を見たらなんとなくもやもやしていたものもなくなったから」

「俺は許さねぇけどな」

冷酷な笑みを浮かべ道明寺の笑みは一瞬。

冷気で満ちた唇はそのまま私の唇に押し付けられる。

冷たい微笑みとは対照的な熱い熱。

一瞬で蕩けて私の熱を奪う。

気持ちいい・・・

心地よさに惑わされるキス。

「んっ」

唇を割って重ね合う舌先。

チュッと吸い付く音も甘く響く。

夢中にさせられるのはどうしようもない。

「嫌がってた割には応じてくれるよな?」

離れそうな唇を引き止めたくて道明寺の背中に回した腕は強請る様に道明寺にしがみついてる。

いやなんじゃなく・・・

素直じゃないだけだから。

幾度も繰り返されたはずの行為がいまだに恥ずかしい。

裸に自信ないし・・・

見られるのにも触れられるのにもいまだに慣れない。

くすっと小さく笑みをこぼす道明寺の指先がそっと私の下唇をなぞった。

今の道明寺はとことん私を焦らして楽しむ気だ。

1時間どころかしばらくはベッドの中から抜けだせそうもない気がした。