最上階の恋人 2

今回のお話は道明寺専属SP相葉さん登場で常連さんに喜んでいただいてるようでうれしいです。

相葉、千葉 別名葉っぱコンビ。

私の二次では重要なオリキャラなので二人の人物像も広がっています。

最初に登場させたのが千葉一平 そして先輩の相葉 真

千葉君は同僚の灰原 哀ちゃんじゃなかった真澄ちゃんに思いを寄せている。

相葉先輩は実はバツイチで男の子がいて育てているシングルパパの設定。

別れた奥さん蘭ちゃんは花沢物産で働いてるという設定。

え・・・と・・・どこかに書いてたはずで・・・

どこでしたっけ?

ライントークでの中だけでしたっけ?

わからなくなってきた~~~~~~

ゆきこ様情報ありがとう。

復活LOVE のお話でした。

 *

面倒くせぇ。

感情がため息と一緒にテーブルの上の紙の上にこぼれる。

計上決算の数字がいくつも並ぶ破格なデーターとグラフ。

いちいち読み上げるのは無駄。

見ればわかんじゃねぇか。

疑問があればそれを追求する。

それで十分。

付き合ってられない。

数字の無駄より今のほうが時間の無駄に思えてくる。

だるそうな俺の態度を注視してみてるのは後ろに控えてる秘書の西田。

今はなんも言わねぇけど会議が終了した途端食いついてくるのは間違いない。

こうも会議、会議と追いまくられると飽きるってものだ。

まだ俺は一応大学生なんだからな。

牧野が英徳大学に入学したと同時に俺も英徳に復学。

まだ一度もあいつとは一緒に大学に通えてねぇ。

滋との婚約破棄から大河原との関係を修復するのに紛争したのは牧野の為で道明寺の為という割合いは少量。

あれでお袋の俺の評価が上がったのは間違いないが、実際に仕事に携わって学びなさいって、仕事を押しつけ過ぎなんだよ。

仕事が忙しくて牧野に会う暇もない。

デートしたのは入学前の一回きりだ。

あいつから俺にキスをした、待ち合わせ場所。

俺様を待たせるのはあいつの特権。

文句を言う俺のマフラーを引っ張ったあいつが背伸びをしながら俺に近づいて気が付くと柔らかい感触が唇に触れた。

あれで俺の不機嫌はぶっ飛んだんだよな・・・

あれからあいつに会えてねぇ。

本当なら俺たちの関係は、もっと・・・

こう・・・

深く・・・

なってるはずで・・・

俺達婚約してんだぞ!

ここまで進展なしでいいはずがない。

牧野を呼んで、そのあと会社を出て、貸切にしてるレストラン。

食事をしてそのあとも二人っきりで過ごす計画。

完璧に描いてる牧野と俺の進歩。

あいつの喜ぶ顔を眺めながら過ごす二人の甘い夜。

「司様・・・」

西田の何度か目の俺を呼ぶ声で気が付いた。

「会議は終わりませたが・・・」

何をぼっ~としてるんですか?

そんな視線が俺を眺める。

「ああっ」

慌てて立ち上がった拍子にテーブルの脚にすねをぶつける。

イテッ!

「大丈夫ですか?」

「何でもねぇよ」

痛みをこらえながら何でもないように足早に歩く。

西田には絶対弱みはみせねぇ。

会議室の開かれた扉。

扉の先で周りに気を配るSP。

いつもは二人はいるはずのSPが新米一人だけ。

普段ならこの警備不足に何か言いそうな西田が全く興味を示さない。

立ち止まる俺に気が付いたように西田が口を開く。

「少し早くないですか?」

「なにが?」

「つくし様との約束までまだ1時間はあるようですが?」

俺が千葉だけを残し相葉を牧野の迎えに行かせたことはすでに西田にはばれてるってことかよ。

「牧野が俺に会いたくてしょうがなくて時間より早く来る可能性高いだろうがぁ」

「会いたいのは坊ちゃんの方だと思ってました。

仕事を放りだして坊ちゃん自身で迎えに行かなかったことは評価できます」

相変わらずの上から目線の西田。

てめぇに評価される必要はねぇし。

ムカつくが、俺は今日は気分がいいから見逃がす。

戻った執務室。

窓辺に立てば都内を見下ろせる最上階。

雲一つない青空。

今頃あいつは俺に会うために移動してるはずで。

姿を見るには遠すぎる地上から俺を目指して最上階にやってくるはずで。

見えるはずのないあいつを見つけたくて指紋一つ付いてない窓ガラスに張り付く。

・・・

・・・・・

!!

音もなく窓の外に降りてきたのは窓掃除のゴンドラ。

思わず俺の顔まで拭かれそうになった。

自分の姿を隠すように背中を窓ガラスに押し付けた。

ドクンと波打つ心臓を必死でなだめる。

見つけるはずのない牧野を見つけるより驚いてしまった。

気をそらそうと左腕の時計に視線を落とす。

待ち合わせの時間まではまだ1時間・・・

さっきから進んでぇねっ。

腕時計壊れてねぇか?

「壊れてません」

「何でわかった?」

飄々とおれの表情を的確に読む西田にマジで感心してる俺。

「朝からそわそわしすぎです」

そういった西田がごそっとデスクの上に置く書類の束。

「1時間以内には終わりますよね」

いつものペースなら3時間はかかりそうな書類の量を何気なく置きやがった。

こいつ・・・

これを終わらせなきゃ牧野を追い返すかもしんねぇ。

やりゃいいんだろ。

あいつが来る前に絶対終わらせてやるよ。

怒りをエネルギーに変えるように革張りの椅子にドスンと腰を下ろした。