最上階の恋人3
このお話、最上階につくしちゃんが無事にたどり着くのか!
というお話の様相になることにうすうす気が付いてる方もいらっしゃると思います。
つくしちゃんがたどり着くのが先か司が痺れを切らすのが先か!
どちらが見たいでしょうか?
どっちもなんて言わないで~
+αお話はいかがでしたでしょうか?
濃いオリキャラ加川さんの登場するお話をスリーシスターズ様が見つけてくださいました。
すっかり私忘れていて・・・(;^ω^)
このお話には加川さんの息子も登場して結婚してるはずのつくしちゃんも巻き込まれるんですよね。
・不機嫌なFACE の11話あたりから登場。
このお話は珍しくつくしちゃんが司君に嫉妬しちゃという設定。
スリーシスターズ様ありがとうございました。
*「行きましょうか?」
聞こえた声に顔を上げるとさわやかな笑顔。
あまり笑わなそうな男性が、はにかみながら見せる笑顔って女性を安心させる魅力がある。
受付のおねぇさんたちに人気があるのもわかる気がした。
F4の近寄りがたいイケメンより、声のかけやすい気さくな男子って結構人気あるもの。
そしてすこし低めの甘い声。
テレビで聞いたことのあるかっこいいアニメのキャラにかぶる。
「あっ・・・ハイっ」
道明寺の会社に初めて来た緊張感がほっとほどける瞬間。
一歩足を踏み出さした瞬間に何もないつるつるの床になぜか足を取られてバランスが崩れてしまった。
「大丈夫ですか?」
咄嗟に差し出されたはずの腕はしっかりと私をささえてくれてる。
「ありがとうございます」
私をささえてくれてる両腕に思わずしがみついてしまってた。
こんなとこあいつに見られたヤバイ。
瞬時に頭の中に激しく鳴り響く警戒音。
焦ったまま思わず両手で相葉さんを突き放す。
「すいません」
それは助けてもらった人にとる態度じゃない。
なんだこいつ!
って思われてもしょうがない失礼な態度に謝るしかない。
「気にしなくていいですから。
びっくりしますよね。
初めて会う男に触れられたらいやですよね?」
「そんなことはないです」
ぶるぶると顔と手を必死に横に振る。
私を気遣ってくれる柔らかい物腰にいつも道明寺の周りにいるSPとはまた違った雰囲気で親しみがわく。
お兄ちゃんってこんな感じなのかな?
そして案内されたエレベーターの前。
「このエレベーターなら最上階まで直通ですからすぐにつきます」
扉の横にカードをかざす相葉さん。
かざしたカードを読み取るとエレベーターのボタンが押せるらしい仕組み。
「一般のエレベーターと違って、使える人が限られるんです。
普段は僕も使えませんけどね。
今日は代表の大切な人を案内しなきゃいけないから特別なんです」
「特別だなんてとんでもないです」
特別だと言われても照れ臭くなるなるだけでドキドキしちゃうよ。
このままこのエレベーター乗ったらますます心臓が飛び跳ねそうな気がする。
私は決して特別じゃないし・・・
道明寺呼ばれたからしょうがなく来ちゃったわけだし・・・
「あの、こっちのエレベーターでいいです」
数名が並んでまつ右隣のエレベーターの前に身体を移す。
「そっちだと、時間かかりますよ?」
「待ち合わせの時間までまだ30分はありますから」
そうなのだ。
まだ道明寺の指定した時間までお茶を一杯のめる時間がある。
あまり早くいきすぎても道明寺の仕事の邪魔になりそうな気もする。
ギリギリの時間とかちょっと遅れるのはデートの基本と何かで読んだ気もするしね。
初めて来た道明寺HD本社ビル。
大会社の大きなビルに圧倒されて気後れしてる。
場違いな自分と分相応な道明寺との関係を見せつけられてる気にもなる。
このまま道明寺に会ったらいつもの私に戻るのは少し時間がかかる気がする。
「勝手に用件だけ言って人の都合も聞かず携帯を切らないで!」
まずはこれくらい言える強さに戻らなきゃダメだ。
相葉さんを神頼みの心境で必死に両手を合わせる。
「それじゃ、ゆっくり行きましょう」
私の横に位置を移してくれた相葉さんがにっこりと私に微笑んだ。