最上階の恋人 10

前回は突っ込みどころ満載のお話でしたが・・・(;^ω^)

私服でインターシップに来る大学生がいるのか?

それでなくてもつくしちゃんの見た眼は今どきの高校生より幼いぞ~

つくしちゃんをさらったのが強烈キャラの加川さんのほうがしっくりくるのですが、そうすると以前書いたお話とかぶりそうな展開になりそうなのでやめました。

だからってこの展開はないだろう書いてる私も思ってます。

でも書いちゃったんだよな~

笑って付き合ってくださいませ~

PW申請に関するご連絡。

本朝7時までに申請された方には送信していますので、確認をお願します。

CHAR様。

メール受信拒否の設定をされてるということでiPhoneから返信させたいただいたのですが、メールエラーになり送信できませんでした。

再度ご連絡をお願いします。

T字路の廊下のど真ん中。

立ち止まった相葉が左右きょろきょろと視線を走らせ落ち着かない素振り。

誰かに追われているのか、誰かを追っているのか・・・

どう見ても何かを探してる様子。

何を探してるかは一目瞭然。

チッと鳴らした舌先を思わず噛みそうになった。

「完全に見失ってるな」

スーッと俺の横に肩を並べた総二郎の柔らかな声。

涼やかな微笑みを浮かべた総二郎が相葉に注ぐ視線。

そんな表情は女にしか見せねぇと思ってたよ。

イラッとする俺とは対照的な落ち着いた姿。

「お前は、茶でも点てときゃいいんだよ」

「ここでか?」

わざとらしく大きく見開いた二重瞼。

「帰れって、意味だよ」

苦々しい感情は隠さないままに総二郎に向けるが、全然動じねぇし。

すたすたと歩いて相葉に近づく。

普段なら相葉を呼びつけるところだが今の俺の気分は総二郎の相手をするつもりは微塵もない。

「いないのか?」

「申し訳ありません。

トイレにいらっしゃらなくて」

いないとは言ってもビル内だぞ。

あいつどこ行った?

縦横にしか進みようのないビル内でどう迷うんだ?

右に行くか左に行くかのどちらかだぞ。

トイレからカフェまでは道順を間違い様がねぇよな?

あいつはバカか?

「司がいるのを見て逃げたんじゃねぇの?」

「俺に会いに来てるのに逃げる理由はねえだろうが。

俺様がわざわざ会いてぇって呼んだんだぞ」

いつの間にまた総二郎が俺の横に立つ。

「しかし、さすがだな俺達」

「なにが?」

「俺たちの動きにつられるようにお前のとこの社員がつられてるし」

周りに視線を漂わせた総二郎。

カフェの窓に張り付いた顔が俺たちをのぞく。

休憩時間と重なってるためなのかやたらと人が多い。

牧野以外のやつを引き寄せても意味ねぇよ。

牧野の場合は俺から逃げようとすることのほうが多いけどな。

総二郎の言動が今まで牧野の俺に見せる素直じゃねぇ態度を思い浮かばせる。

あいつとやり直そうと思った俺をフッた牧野。

連絡先も残さず俺の前から姿を消したこともあったよな。

プロポーズしたときはにあいつが返した返事。

「あたしが、あんたを幸せにしてやってもいいよ」

この俺様に宣戦布告したやつ。

あいつらしくてうれしかった感情までも、なんかムカついてきた。

「お前がしっかりあいつに張り付いてないからだろうが」

ドンと壁に穴が起きそうな勢いで手のひらを張り付かせる。

今日はこれで二回目の壁ドン。

西田の次は相葉かよ。

相葉のやつは西田と違って頬を引きつらせたまま両目をしっかりと閉じてる。

「きゃー」

と聞こえた声。

「司、悲鳴あがってっけど」

総二郎は他人のように傍観者を装う立ち位置でつぶやく。

「あっ!?」

上に上がった言葉尻はそのまま怒りの感情を上乗せて聞こえる。

「司、俺をあんまり見るなよ。

目が座ってるお前に見られると猛獣でも尻尾を丸めるぞ。

慣れてる俺でも後ろに下がりたくなる。

落ち着けって」

怒ってはいるが、冷静さはなくしてねぇよ。

「自分で探す」

そう言い残して、相葉から離れる。

ずるっ・・・

相葉の腰が砕けるように床に落ちた。

俺は殴ってねぇからなっ。