野獣は素肌で戯れる 6

おはようございます。

UPスピードを上げてこのお話11月中にはおわらせたい。

そうしないとクリスマスにお正月と来ちゃうのよ~

跡誕生日もあるし・・・

イベント満載の12月はあっという間に駆け抜けそうです。

「二人の世界作ってんじゃねぇよ」

言葉の意味に反する口元にやわらかい微笑みを浮かべたその声の主はスマートなタキシードの着こなしで優雅に私たちを近づいてくる。

「わかってんなら、邪魔すんじゃねぇよ」

頭の上から聞こえた声は対照的に牙を向いて威嚇中。

そうだよ。

こんな状況を続けてる場合じゃない。

道明寺の威嚇より西門さんの言葉が私を現実に引き戻す。

こんな人目のあるとこで私の首にネックレスを巻き付けたその腕は胸の上で交差させて、司は私を背中から抱きしめてる。

「ベットの中で外す」なんて言葉にドキっとしてる場合じゃない。

出席するだけでいつも注目浴びてるのに会場の真ん中で何やってんだか。

出来るなら会場の隅で一目を避けてやってほしかった。

二人っきりのときとか・・・

それこそこのパーティーに来る前の状況に戻っちゃうか・・・

その前に、人目を避けるなんて配慮は司にはないだろうけどね。

注目されることになれちゃってるから羞恥心なんて持ち合わせてない奴だしね。

なんだか・・・

ますます注目度上がっちゃってる。

それもそのはず!

西門さんだけじゃなく、美作さんに花沢類まで集まってF4そろい踏み。

私は邪魔かも・・・

自然と一歩後ろに足を踏み出す。

このままゆっくりフェードアウトして美作さんの隣に今はいない葵さんを探そうと思う。

どこかで葵さんも美作夫人の役割を果たしてるはずだ。

「まき~の」

間延びした口調を久し振りに耳にした。

この声を聞くだけで足が止まるのは私の習性かもしれない。

「牧野は、ここにいてくれなきゃ、ダメだよ」

にっこりと極上の微笑みを浮かべてビー玉の瞳が私を映し出す。

4人の真ん中に私がいるのは高校時代からで・・・

羨望のまなざし。

嫉妬の視線は慣れてる。

さすがに今は面と向かって私を非難する声は聞かなくなったけど。

F4の華麗なオーラは私の姿なんて簡単にその中に隠れてしまうと思う。

4人を見つめる無数の熱い瞳は私の姿を切り取って、いない状態で画像保存するはずだ。

長身の4人に囲まれてしまえば私なんて、メリーゴーランドの主役の馬を回す中心の柱みたいなもの。

誰の興味も引きはしないって思う。

「相変わらず司は牧野に夢中だな」

美作さんが親しみを込めた視線を私に向ける。

それぞれに違う魅力が一斉に私に向けられる。

唯一ムカッとした表情を向ける司。

それでもその容姿はメインの宝石より会場を魅了してるって思う。

今のこの状況で宝石を並べたガラスケースの中は誰も見てないもの。

司と二人でいた時よりドキドキ感が止まらない気がする。

私の恥ずかしさは今年一番のものかも・・・

久々に他人の目が気になっちゃうよ。

「帰りたい・・・」

家に帰ってパンプスとドレスを脱いで、ゆったりと熱いお湯につかって手足を伸ばしたい気分。

「なんだ、気が合うな?」

腰をかがめた道明寺の顔が私の頬の高さと一緒になる。

うれしそうに笑う横顔が見えた。

腰にまわされた腕はガシッとしっかり私を抱く。

え?

ふと上げた視線。

楽しそうに私たちを見つめる3人。

「帰るんだ?」

驚く素振りの西門さんの笑みは、すでにからかいの感情が見え隠れしてるよ。

「まだ早いけど・・・」

腕時計を眺める美作さんはそう言いながら葵さんを探してるように視線を動かしちゃってる。

美作さん!

自分も帰るつもりでしょ!

「牧野は司に任せたから」

「おぅ」

花沢類の声に気をよくした声が聞こえた。

任せなくていい!

私は本当に一人でゆっくりしたいだけだから!