野獣は素肌で戯れる 7
おはようございます。
11月も残りわずかこのお話書ききれるのか!
何とか時間を作ってUPしたい。
PCの前に座っても子供にPCを奪われてしまった。
予定通りにいかない週末の昼下がり。
平日頑張ろう・・・(;^ω^)
「葵さんともっと話したかったのに・・・」
つぶやく独り言。
寂しそうな横顔を車の後部席の窓ガラス映し出す。
ため息で曇もるガラスをちらりと横眼で見つめる俺。
「あきら達も俺たちに劣らずいちゃつてたからなぁ」
「あのね、美作さんはしっかり葵さんをエスコートしてたでしょ。
司みたいに私を一人にしてなかったかったし・・・」
拗ねた表情を俺に見せたつくし。
可愛いッ
一瞬で俺の感情を全部持っていきやがる。
しょうもないおっさんのお話に付き合わせるのもかわいそうだと思っただけというのは建前。
言わねぇけど。
こいつが意識してるかどうかはわからないが、お前は社長たちに人気あるんだよ。
あいさつ代わりにつくしさんはいらっしゃらないんですか?とか俺の周囲に視線を走らせてお前を探すそぶりを見せる重役クラス多い。
俺よりつくしと話したがるおっさん連中の前に俺が機嫌よくお前を連れていくと思ってんのかよ。
結婚したての頃は、お前を妻だと自慢つぃたくて連れて回ったけどな。
今じゃ誰にも見せたくねぇというのが本音。
おふくろが道明寺家の嫁としての役割をしっかりさせろってうるせぇからしぶしぶ連れてくんだよ。
パートナー同伴が原則パーティーが多いことが最近苦痛って言ったらこいつはどんな反応を見せてくれるのか。
嫉妬しすぎとか。
独占欲強すぎとか。
人気があるってそんなわけないとか必死で否定されそうだ。
お前の自己評価低すぎだろうが。
お前の価値観は俺にとっちゃ最大級つーか、宇宙級だぞ。
「なんだ、寂しかったんなら、そう言えよ」
本当の感情は見せずに余裕の表情でつくしに顔を近づける。
「そんなつもりで言ったんじゃない」
華奢な腰に腕を伸ばして引き寄せれば、全力でそれを阻止するようにつくしの手のひらが俺の胸元を突き放そうと動く。
運転席と後部席の間にはしっかりと壁が閉じられて車の中はいわゆる個室状態。
長年道明寺家に勤続してる運転手の里井。
俺達が付き合いだした頃から知ってるから慣れたもので、車に乗り込んで数分走ったところで、俺たちだけの空間を作ってくれる気の利きよう。
「早く帰りたいんだよな」
「それで、どうして私を抱き寄せるのよ」
「べつに離れる必要ねぇだろう」
「べたってひっつく必要もないって思う」
「嫌いじゃねぇだろう」
見つめ合った視線の先でもじっとする表情をつくしが見せる。
「だからって、手を動かさないでよ。お尻掴むな」
ふくらませながら赤く染まる頬。
向き合って抱き寄せれば自然と太ももに届く指先。
なんもしねぇのも面白くねぇし。
拒む指先を俺の指先がからめとる。
ここで、車がキューブレーキでもかかればバランスを崩してつくしが俺の胸の中に落ちてくるの間違いなし。
気配を感じて里井!ブレーキを踏め。
踏むわけねぇか。
高級車の振動のなさは揺れを作る期待は薄い。
そんな姑息なこと考えなくてもどうでもなるんだけど。
偶然とか運命とか事の展開では大事だと経験してるから一分の期待をしてしまう。
あとがなし崩しに行けるから楽だ。
「ここはおとなしくして・・・」
「触るだけだからそんなに警戒するな」
「その、触るのが問題なの、だから胸、揉むな!」
ぴしゃりと手のひらをつくしからたたき落とす。
つくしを怒らせて楽しんで、また怒らせるつもりで指先を伸ばす。
「それじゃ、今キスで我慢してやる」
指先はつくしの頬をかすめ、髪を梳くように後頭部に添わせる。
目を大きく見開くつくしをとらえながら俺は瞳を閉じた。
「んッ」
甘い吐息が唇を開いて流れ込んでくるまでそう時間はかからなかった。