2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

HAPPY LIFE 9

* 「急に大きくなったよな」 まじまじと人のお腹をさすりながら道明寺がつぶやく。 「太った」と言われないだけましな方。 幸せそうな顔で・・・ こぼれそうな笑顔で・・・ うれしそうな表情を見せるのは妊娠を知った時から変わらない。 「名前決めてくれた…

第12話 ないしょ?ないしょ!ないしょ!? 16

* -From 1 - どうにかしなきゃなッ、牧野の格好。 ジーパンに薄手の白いブラウスのラフな格好。 午前中までビル内をコンテ運んで動いてたのだから仕方ない。 これじゃどう見ても学生のあて名書きのバイトの雰囲気。 俺とつりあわねぇぞ。 こいつのことだ大し…

第2話 抱きしめあえる夜だから 21

* -From 1- 窓から差し込む太陽の光。 朝早くから起き出して部屋のベランダから海を眺めている。 気持よさそうな横顔を一人ベットの中から眺めてた。 どうせなら俺の腕の中でそんな顔させてぇ。 ハワイの朝も日本なら今は真夜中、時差ぼけもつくしにはないら…

秘書西田の坊ちゃん観察日記 4(抱きしめ会える夜だから番外編)

* 「西田!」 周りの人影を追い払うには十分な威力の怒りのこもった呼び声。 私の側にいた一人の部下が落とした書類をあわてて拾っている。 久しぶりに聞く怒号。 そろそろかとは思っていたが・・・ なかなか順調に動いてくれているようだ。 「いかがなさい…

HAPPY LIFE 8

* 「仕事の能率が上がって助かります」 無表情の顔の下ににんまりとした顔が見える気がする。 つくしの出産予定日まで10日を切った。 前後の1週間の計2週間の休みを確保するためにこの俺様が西田の言うなりだ。 「30%は能率が上がりました」と頭を下げる。 …

秘書西田の坊ちゃん観察日記 3(抱きしめ会える夜だから番外編)

* 昼間は会社で愚痴の一つもこぼさずに仕事をこなす。 夜は連夜のレセプション。 NY支社の二日目も順調に経過している。 こちらは夫婦同伴は当たり前。 今日の坊ちゃんがエスコートするのは会長。 「何んでお袋なんだ」 不満を口にする坊ちゃん。 「金髪の…

留守します♪

明日は5時起床。 車で大分経由で北九州に出発します。 目的はスペースワールド。 10数年前行ったっきり。 あの頃はまだ20代の若かりし頃。 あ~懐かしい。 留守中は小説の更新も携帯のみ、無理かもしれないのでここ二日頑張りました。 でもさすがに毎日更新…

第13話 愛してると言わせたい 6

* -From 1 - 「お帰りなさいませ」 出迎えの使用人たちが挨拶もそこそこに牧野を取り囲む。 「心配しました」 「元気そうで」 口々に言って牧野の姿に心からの安堵の表情。 戸惑ってるのは牧野本人ばかり。 この屋敷では俺より牧野のほうが好かれてる。 牧野…

第12話 ないしょ?ないしょ!ないしょ!? 15

* -From 1 - 「もうバイトなんてさせねぇ」 右手を私の首に巻きつけて左手は腰回りに巻き付いて完全に道明寺の胸の中へ埋め込まれてしまってる。 「誰も取りませんから・・・」 ため息混じりの西田さんの声に私の顔は火照り出す。 「こいつに色目使う奴はぶ…

第2話 抱きしめあえる夜だから 20

* -From 1- 空港に降り立つF4ジェット。 ジェット機胴体の派手な真っ赤なペイントはひときわ目立つ。 「普通じゃないことしたい」 つくしが突然言った。 そんな風につくしが言うのは珍しい。 いつも俺の金銭感覚はついていけないと愚痴をこぼすやつだから。 …

第13話 愛してると言わせたい 5

* -From 1 - 「おい待てよ」 牧野の背中を追いかける。 こんなこと今までも結構あったよな。 牧野の腕をつかんで立ち止まらせたのは牧野の病室のドアの前だった。 「もう、用事は済んだでしょう」 迷惑そうな表情を見せる牧野。 そんな顔が見たいわけじゃな…

秘書西田の坊ちゃん観察日記2 (抱きしめ会える夜だから番外編)

* 腕時計で時間を確かめる。 残りは5分。 さっきから繰り返される永遠の別れのお二人。 どちらかといえば坊ちゃんが別れがたいような感じなのだが・・・。 「さびしくないか?」 「俺がいなくて大丈夫か?」 「仕事いけるか?」 「寝れるか?」 「食事でき…

第2話 抱きしめあえる夜だから 19

* -From 1- 「何キョロキョロしてんだ。落ち着きのねぇやつ」 個室で仕切られてレストランの一室。 どっかのお偉方さんがいないのにホッと胸をなでおろす。 時々気軽に道明寺とランチと思ったら知らないおっさんが数人ってことがあるんだもの。 「つくし様を…

第12話 ないしょ?ないしょ!ないしょ!? 14

* -From 1 - 「あっ」と言って固まった。 頭が真っ白。 なんで! どうして! ここにいる! 花沢類のことを知ってるんだよねお母様。 「あれは誤解です!」 なんて・・・ 気軽に言える関係はまだできていない。 何を言われるか・・・ 「うちの息子では不服な…

秘書西田の坊ちゃん観察日記 (抱きしめ会える夜だから番外編1)

* 坊ちゃん・・・ いや道明寺ホールディングス若き代表のNY出張。 これをどう伝えるべきか。 普通にすんなり納得していただけるといいのだが・・・ 御結婚後初めての長距離出張。 いい顔をされるはずがない。 行きたくないを筆頭に最後はお前が何とかしろま…

第13話 愛してると言わせたい4

* -From 1 - あくる朝、牧野の入院する病院へ車を向かわせる。 俺との事をすっかり忘れている牧野。 こわごわと他人を見るような表情。 俺に向けられていたやさしい温かな包み込む笑顔も感情もそこにはありはしない。 頼りきったまなざしは類へと向けられた…

第2話 抱きしめあえる夜だから 18

* -From 1- 仕事を途中で邪魔されて・・・ これなら最初から一緒に出社したほうが楽だった。 「強引なんだから」 「好きだろう」 「何が?」 「強引な俺も、キスも・・・」 自信に満ちた表情が少し唇の端を持ち上あげる。 離したばかりの唇にまた薄く閉じた…

HAPPY LIFE 7

* -From 1- つくしのお腹も随分と張り出してきた。 この中に赤ん坊がいるんだと納得できる大きさ。 「これでも小さい方なんだから」と優しい表情でつくしがほほ笑む。 時折愛おしそうにお腹の中の赤ん坊に話しかけるつくしは一人だけ先に母親の表情を作りだ…